おろかな睡眠不足

好きな漫画やアニメやゲームの感想だったり推薦だったりを語彙力なく語ります

『この素晴らしい世界に祝福を!』の話

AmazonPrimeで2期分全話見れちゃうし、ゲーム周回のお供にでもどうですか?

 

 

この自称女神と異世界転生を!
 

 

 (どうしようもないあらすじ:佐藤和真は現代でコミカルに無駄死したヒキニート。死した彼をテンプレ通りに異世界転生へ導く女神は、そんなカズマを笑う性悪だった。煽られバカにされ捨て鉢になったカズマが苛立ち混じりに『転生する特典』として指差したのは――「…じゃあ、あんた」「…今何て言ったの?」そこの女神様。

かくしてクズニート、バカ女神、ネタ魔法使い、変態騎士の凸凹パーティによる魔王討伐が――始まるかも、しれない?)

 

作品について

sneakerbunko.jp


暁なつめ作『この素晴らしい世界に祝福を!』(通称このすば)は、角川スニーカー文庫で刊行中のライトノベルです。

もともとは「小説家になろう」で連載されていたものを改稿して出版しており、とはいえ私はその頃の話はこれっぽっちも知らないので割愛します。読みたかったよなろう版~~!!!!*1

 

この作品、なろう作品としては少しばかり異質で、所謂なろうのテンプレとも呼ばれる「トラック異世界転生」「女神から特殊(チート)能力」「ハーレムもの」の要素をふんだんに取り入れ、それらを全て地獄色をしたドブ鍋で料理したらこんなゲテモノが出来上がりますよ、みたいな作品となっています。ものすごく捻くれてる。

ネット界隈とは比較的相性がいいらしく、先日ニコニコで「なろう界のユダ」と呼ばれているのを見て笑いました。テンプレ踏襲なのに面白い、裏切り者ってかガハハ~!えっ本当に褒めてる?

 

主人公のカズマに課された使命は魔王討伐。集ったのはアークプリーストアークウィザードクルセイダーの女の子3人。全員上級職なヒロインたちと、超強いパーティで進んでいく……筈なのですが。

 

とにかく、何もかも思い通りに行かないのがこのすばです。「それをしなければ無事平穏に終われる」がことごとく発生してしまうフラグのオンパレード、ここはトラブルの三丁目。

トラック転生は実質失敗、本来ヒロイン…だっただろう女神は作中随一のトラブルメーカー、手に入れたチート能力はゼロに等しく一般人の頃とまるで変わらない能力値。集まる仲間はイロモノ揃い、即戦力は1人もいない。

ザコ敵にあわや全滅寸前まで追い詰められ、…と思えば魔王の幹部に勝ってしまう。それに慢心してると、後日、何でもない時に木から落ちて死ぬ。派手に戦えば、代償として破壊したものの修繕費を請求されて借金まみれ。

近所で起きるトラブルは大体パーティーの身内が犯人だし、近所で起きないトラブルも大体身内の関係者。いつまで経ってもはじまりの街(アクセルの街)から出発しないので冒険は始まらないし魔王は倒されないし、なのに物語は着々と進行していく。進行していくからスゴイ。それだけメチャクチャやってるのにね!?

 

主人公のカズマが出会う人々は、誰も彼もが一癖も二癖もあるおかしな奴らばかりで、そういう彼自身も大概バカと来ている。私がこのすばで一番好きなところは「絶対に始めから真面目にやらない」ところであり、カズマが「結局解決してしまう主人公である」ところ。卑怯上等ゲス野郎なのにそういうところは王道なのいいよな…ってなります。解決法を思いついたときのカズマ大好きです、あまりにも清々しいほどクズの反動でなんかかっこよく見えるので…まあ解決法も大概だけど…。

 

頭空っぽにして読みたい作品としては個人的に五本の指に入ります。いつ読んでもバカしかいなくて最高になれるコンテンツ!これは褒めてます。

 

登場人物 

 

・カズマ

本名佐藤和真。職業は器用貧乏ランク最低職の冒険者。典型的なヒキニートの高校生で、トラックに引かれたと思い込んだショックで死んで異世界転生を果たす。

この作品の主人公であり、問題児揃いのパーティでリーダーを務める苦労人かつ、エロに目がない思春期真っ盛りのゲス野郎。エッチなお姉さんに誘惑されるとすぐ揺らぐ、スティール(窃盗スキル)で盗んだパンツを路上で振り回す、仲間のことを日常的にエロい目で舐め回すなどゴミとしての逸話には事欠かない。すごい!(コレは褒めてない)

仲間内から「ゲスマ」「クズマ」「カスマ」と呼ばれていることも。巻き込まれだったり自業自得だったりで何度も投獄されてる。人生舐め腐っているので正直なところを暴くと周りをドン引きさせるが、やる時はやる男。卑怯上等、小狡い手で難所を幾度となく乗り越える。なんだかんだ仲間からもそれを頼りにされており、アクアからはいざというときのカズマさんとしてよく縋られる。

 

・アクア

自称水の女神…だけれど、実際にこの世界であがめられており、彼女自身も天界で人間を転生させたりと実際に活動している女神である。尤も、その自己中心的な言動や頭の悪い行動の数々のせいで地上の誰にも信じられてない。カズマが特典として選んだがためにカズマともども地上に引きずりおろされる。職業は上位職のアークプリースト。女神だけど魔王倒さない限り天界に戻れないためそれなりに必死。でもバカ。

酒好き、生意気、空気読まない、良かれと思ったことは大概裏目、トラブルメーカー、調子に乗ってすぐ半泣きになる。メインヒロインの筈だけどアクアさんがメインヒロインしてるところがすぐに思い出せない。この人ホントにヒロイン?

彼女が神を務めるアクシズ教はアム〇ェイと肩を組むタイプの地獄の集団と化している。目を合わせてはいけないし近寄ってはいけません。

 

 ・めぐみん

魔法使いの一族、紅魔族出身のアークウィザード。左目の眼帯はポーズであり、一族全体が厨二病に罹患している。そして一族全員ネーミングセンスが変(ライバルのゆんゆん、妹のこめっこ、ペットのちょむすけ、刀のちゅんちゅん丸などが実在する。どれもニックネームではなく本名)。

頭は回るがこだわりの強いアホ。魔力全消費の強力ネタ魔法「爆裂魔法」にご執心で、それ以外の魔法が一切使えない。マダンテしか使えない魔法使いどうすればいいんだよ…。

アニメ化範囲だとシンプルに頭のおかしいアークウィザードだが、小説最新刊付近においての彼女のヒロイン度は凄まじいものがあるため必見。一線を超える日が遠くなさすぎる……!?

 

 ダクネス

礼儀正しいクルセイダーの少女。良識的なため癖の強いメンバーには何かと振り回されがち。

大きな剣と鎧で敵のヘイトを一心に受け止める上級職…だが、その実攻撃が敵に一切当たらないノーコンの上大変なドM体質。馬車で引き摺られ喜ぶ、モンスターにタコ殴りにされ喜ぶ、カズマに言葉責めにされて喜ぶ…など、かなりめに性癖がねじ曲がっており、戦闘ともなればルンルン最前線に飛び込んでいくためカズマにキレられる。ひどい目に遭ってるときに助けると怒る。

実家関係で多くのトラブルを抱えており、何度かカズマ達も関わることになる。バツネス

 

おすすめ

 基本的に、この四人が漫才みたいな会話をしながらトラブルを起こしたり巻き込まれたりの繰り返し。これに魔道具屋を営むリッチーのウィズ、仮面の悪魔のバニルさんやダクネスの友人のクリス、アクアの後輩女神のエリス様にめぐみんの自称ライバルゆんゆん…など、多数の一癖も二癖もあるメンバーが巻き込んだり巻き込まれたりしつつ、毎度毎度アクセルの街を中心にてんやわんやの大騒動。

 

原作はどれも面白いですが、私はクリスが大好きなので、『何故か』エリス様が表紙にドドン!な八巻を推します。八巻、本当に好き。お頭と助手くんの関係性がかなり性癖なんで…短編集よりみち2には殺されるかと思いました。皆は読んだか?マジで実質人気投票ランキング三位以内確定のクリスしか勝たんが…????????

 

 kiss(開幕からバレバレネタバレなので七巻も読んで!)

 

 

アニメでも原作のコメディ分を殺すどころか勢いつけて大気圏まで加速した、みたいな極上のこのすばを味わえます。画面外でツッコむカズマのぼそぼそ声、いい…。

監督さんはプリコネのアニメもやられてて、そっちも同じようにギャグ描写が秀逸なので是非見て、欲しいッ…!騎士くん含めてみんな最高のヒロイン 騎士くんはヒロイン…!

 

どの話でも概ね救いようのないメンバーが救いようのないトラブルを引き起こして散々になるわけですが、そんなこんなの繰り返しで何と昨年最終巻を迎えました(もう昨年のことなのか…)。アホ共が繰り広げる魔王討伐、果たしてどんな結末を迎えるのか、ぜひ目撃してもらえればと思います。

 

以上!

 

*1:現在はなろう版は非公開