おろかな睡眠不足

好きな漫画やアニメやゲームの感想だったり推薦だったりを語彙力なく語ります

クリスマスを一人で過ごした後に見る動画の話

クリスマスは実家で過ごしますので大丈夫です。

 

 

 序文

自分が俗に言う価値のない側の人間であることはここ数年一人きりで昼食を食べ続けてながら理解していて、ずっと孤独であることがいかに気楽であるかを知り、そして惨めであるのかということから目をそらし続ける毎日でした。それに対して明確に改善をしなかったのはひとえに面倒くさいから、もしくは何もしないこと、それを意志を持って選んだからです。許されてしまうなら何もしたくなかったからです。私自身が落ちぶれた何にもなりえることのない塵であることと、やりたくもないことを一切合切はねのけることは同義であり、自分にとっての最善を選んだ私が何一つ得ないまま日々を漫然と過ごすことも当然でした。緩やかな自傷行為はモラトリアムとの離別に近づくにつれこの年の瀬に進行形で一つのクライマックスを迎えていて、何もしなかった、その事実と度々向かい合うたびに私はなにかしなくてはいけなかったんだと自責するわけですが、まあ、誰かが悪いわけではなく。全てこれまでの「努力不足」なんですよね、というどこかの誰かの塵みたいなお話です。

 

メリークリスマス!!!!!!!!(半ギレ)

 

本題

というわけで今日はクリスマスイブなのでクリスマスにふさわしい動画の記事を書きます。一限スタート午後はバ、といった具合に囚われる中暇を見つけて文字を打っていますが、フォロワーはででねーらんどに行ってるみたいで、…いいな…行く人いないから机上の空論です…。

 

さて、本日オススメしたいのは他でもありません。序文みたいな事を365日思っている人間とは多分近づかないほうが良いんですが、序文みたいなことを考えている人にピッタリな、そうじゃなくても見たら案外楽しめるかもしれないこういう感じの動画があります。それがこちら!

 

動画について

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 この動画は、「Getting Over It with Bennett Foddy」というSteamで販売中のゲームを、VOICEROIDの「結月ゆかり」「琴葉茜」、そして「ゆっくり霊夢の3名…2名と1生首饅頭?が実況する、所謂VOICEROID実況になっています。

このGetting Over It、最早人間の心を折るために開発されたのではと疑いたくなるような(多分そう)なかなかハードな作りのゲームになっていて、それをゆかりさんが四苦八苦しながら遊んでいきます。その様を応援したり野次を飛ばしつつ茜ちゃんとゆっくりさんが眺めるただそれだけの実況動画…では!ありません!それはまた別

 

登場人物と内容

この動画におけるゆかりさん達は作者である「ガッkoya」さんの手によって少し特殊なキャラクター付けがされていて、それぞれ名前が「世界一かしこい結月ゆかり」「茜ちゃんが失った何か」「でかいゆっくり」さんです。なぜ世界一賢いのか、何を失っているのか、どういうでかい、などは動画本編を視聴すればなんとなく程度には察せられます。その辺りの説明はありません。卑屈というか捻じくれた様に思わず親近感の湧いてしまうゆかりさん、仲介役なようで時折辛辣に毒を吐く茜ちゃん、そしてゆかりさんに対して好戦的なようでそうでもない時もあるゆっくりさん。

ファンの間ではガッkoya節とも呼ばれる独特なセンスとテンポの掛け合いで、ついつい耳を傾けたくなるような、「聴かせる」実況が繰り広げられます。

 

 愉快痛快殺伐凹凸凸トリオの織りなす実況自体は過去に何作か上げられているのですが、この動画は中でもダントツの人気を誇っている一作です。内容のえげつなさが他の比じゃないからだと思います。オタクにはマゾしかいないのか?

 

 

私の好きな世界一かしこい結月ゆかりの他の実況、もしくはクリスマスの前哨戦 

<「人生に似てますね」

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というかそもそもこの「クリスマスを一人で過ごした後に見る動画」が本当に実況かどうかすら不明。実況として見始めたのにもかかわらず、始終畳みかけられるような勢いのある文章を延々、いっそ心がゆがみそうな程に魅せられる動画です。コメントである種の文学作品なのでは?と言われる位、一つ一つの並べ方やボイスロイドを使ったイントネーションの付け方などを含む言い回しがとにかく上手いんですよね。

ホームグラウンドである実況というフォーマットからスタートした、クリスマスを題材に死生観から正しさへの向き合い方までありとあらゆるガッkoyaの文章が楽しめる逸品に仕上がっています。

 

あらすじ

クリスマス三日間を実況ゲーム探しに費やしたことを茜ちゃんとゆっくりさんに指摘されたゆかりさん(好きな食べ物は七面鳥)は、己の孤独が孕む将来への不安により謎の黒い靄を発生させてしまう。しかし自意識の裏側の存在である紲星あかりによって己のそんな靄を発生させる「かしこさ」を論破され、ゆかりさんはとうとう自意識のバランスが崩れ爆発してしまう――!

「(この実況はクリスマス特別実況です)」「(メリークリスマス!)(半ギレ)」

 

こうして簡略化するととんだとんちき話にも見えてくるので不思議です。

端的に言えば「何もなしえないまま何にもなれないことは許されないのではないか」というそれだけなんですが、本当、この実況を聞いて何か思うところがない、良くわからない人は幸せな人なのでそのままどうにでもなってしまえと思います。ゆかりさんの発言に重なることが一つもない?嘘だろ重なるだろ?滅茶苦茶重なるが?そして重なるということはすなわちゆかりさんがぶちのめされた普通人のカウンターもよく通るということです。だからこの動画に感じ入るところのある人はみんな傷を広げます。

 

動画説明文にわざわざ

 ※極端に精神が弱っている方には刺激が強い可能性があります御注意ください

 との注意書きがあるほどに、最悪、線路への一歩を踏み出す後押しになるんじゃないかって位にはえげつないものを秘めているのは間違いなく。人間の負の側面を延々と浮き彫りにする動画。それをギャグ調とシリアスで挟み込んでシュールさをもって伝えるものだから、本当に始末に負えない程魅せられてしまう。

 

 私はこの真綿を締め付ける様な自傷行為のごとき痺れる感覚が癖になってファッション感覚で動画を一週間ログインボーナスがごとく一日一回視聴していた時期がありましたがあの頃は多分おかしかったんだと思います。疲れてたのかな。そのおかげでフォロワーとガッkoya台詞リプライ合戦ができるようになったことは嬉しいのかよく分からない。

 

好きなところ

私が一番好きなセリフは、動画後半の

「ほら立って!皆が頑張れと言っています!

皆は頑張れと言っているんですよ!」

という一文なのですが、応援というものの本質が本人の意思を無視した強制という意味であるというそのことを、同じ一文をほんの少し変えて繰り返すだけで演出する手際の良さに本当惚れ惚れして、かつ頑張れという言葉の重さに吐き気を催すことができるので好きです。他にもいろいろあるのですが全部メンタルに来そうなので割愛します。この動画を正常な思考で好きっていう奴はみんなどっかイカれてるよ。

 

 

つづきの動画

因みにクリスマス~には実質的な続きがありまして、空気と化した壺おっさんの実況を三人でやり通すっていうシリーズもあるんです。

時系列が地続きになっているので、もしこの動画で三人、もしくはガッkoyaさんを気に入ってもらえたら是非見てほしいです。ちゃんとガッkoyaさんの紹介がしたいな…。

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タイトルが今度はの時点でクリスマス~が実況でないことは確信犯ですね、いや確信犯じゃなかったら怖いけど…。

 

 

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これはよくわからない方向へのめりこむゆかりさんとポンコツと化した普通人

 

 

 

 

 

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そしてこちらは、「ありえたかもしれない可能性」です。どうしても最終回の紹介になってしまうので是非とも最初から見てほしいですが、本来の続きはこうですね。

 

そうなんだよな。

 

 

 

 

跋文 

こんな風に、序文のような文章を書くと「そうじゃない!」って普通人が現れるかもしれないことに怯えながらも、きっとゆかりさんと同じ選択はできないのだろうと。『けものラビリンス』の最終回はいつも痛くて、自分は後悔をするだろうってそれだけは鮮明なんです。大人になった自分の姿は想像できなくて、何も分からないままもう直ぐ新年を迎えようとする私が何もなれないどうしようもなくどうにもならない未来だけが、それだけが、鮮明なんです。いつだって何も見えやしないのに。

 

めりーくりすます、皆さん良いクリスマスを。