おろかな睡眠不足

感想だったり推薦だったりを語彙力なく語ります

『ゆゆ式』を見てほしいだけ

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ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式、はちゃめちゃ好きです。どれぐらい好きって好きなもの歴代五本の指に入るくらいには好きです(オムライスと同じくらい好き(?))。無限周回するせいで台詞を若干暗記し始めてるレベルですし、そしてその技能は一切役には立たない。ゆゆ式の台詞復唱してどうするんだよ。公式作品ですが「やまなしおちなしいみなし」を貫き通すこういうスタンス、日常系において、なかなかあるようでないんですよね。去年の年末に見つけて、何も起こらなすぎてドはまりしました。意味がわからない?見れば分かる……。

(必要性の失われたあらすじ:櫟井唯、野々原ゆずこ、日向縁は仲良しの高校生三人組。教室で暇を潰したり、唯ちゃんの家に集まったり、部活で調べ物をしたり、時々外にでかけたりしつつ、毎日一緒にお喋りするよ。ゆるっと)

作品について

三上小又作『ゆゆ式』はまんがタイムきららで連載されている四コママンガであり、2013年にはアニメも放送されました。分類はきらら科日常属日常目。正真正銘完膚なきまでに私にとっての『日常四コマ』であり、ノーイベント・グッドライフの精神を徹底しています。特別なことがないのがいい人生、ひたすらにそれを感じる作品。ゆゆ式においては会話と、後その中でのジェスチャーが作品の中心となっています。女子高生三人のどこか抜けたやりとりを延々と、読者である私たちは俯瞰的に眺め続けます。本当に、眺めるだけなんです。すき…。

現時点で単行本は9巻まで出てますが、作中において、名前がある登場人物はたった7人です。物語シリーズだって増えるのに
主人公格である3人組のゆずこ、縁、唯。初めの頃は彼女たちと間接的に、やがて仲良くなる3人組のあいちゃん(千穂)、おかちー(圭)、ふみお(ふみ)。最後に、6人のクラスの担任で、ゆずこ達3人が所属する部活の顧問なお母さん先生(松本先生)。
ちなみにきららファンタジアには、既におかちーを覗いて6人が来ている驚異の集合率。王手早すぎない?

しかも半分以上はゆずこ達3人の会話で進行する上、アニメにおいては殆ど三人が喋りだおしです。ゆゆゆ*1三人の独壇場。それがゆゆ式です。いや改めて考えるとすげえな……

好きなところ

ゆゆ式において、ゆずこ、縁、唯の三人は閉じられた関係性です。物理的にどうこうとか、意図するものがあるとかではなく、この3人は3人組で過不足がないというのを、会話や、やり取りを通して初話から提示してきます。先生や他の友人、生徒は+αの扱いです。そも1年時なんか全然描写されないし。これは3人が自分達以外をそこまで気にしてない、ということでもあるんじゃないかなぁと思います。

基本的に3人の会話は3人の中で完結します。なぜなら、話し手は他の二人にのみそれを伝えたいのであって、外部に広げる理由がないからです。
認識もまた、3人にのみ共有されます。なぜなら、3人が同じことを分かっていれば問題がないからです。
故に3人の会話はいつも突飛で言葉足らず、かつ面白さにもムラがあります。それは、読者に向けての表現ではないため。ギャグ作品としては配慮が足りず、日常系にしては特殊な突飛さもなく。とんちんかんで未完成にすら見えるそれが完成形。だからこそこの作品は、ゆずこと縁と唯、ゆを頭に持つ3人の『式(やり方)』━━ゆゆ式という名前、なのかなあ、とか。
そしてノーイベント・グッドライフの言葉の真意がここにあります。3人は喋っています。海に行こうと学校にいようと、帰り道だろうと唯ちゃんの家だろうと、場所は変われど、常に喋ってます。この3人の特殊さとして、『情報処理部』という部員0人だった部活動に所属してることが挙げられますが、それすらも3人にとっては会話のネタの一つでしかありません。イベントをイベントとして処理せず、『いつも通り』、通常運転でこなしていく。ゆえにノーイベント・グッドライフ。
ハマればハマるほどむしろそれがいい!って思えてきます。彼女たちにとっては、何よりそれが一番素敵なことなんですね。

故に

分かってはいるんですが納得してないことにゆゆ式の評価についてがあります。上記読んで貰えば把握できるかと思いますが、つまるところ一話完結、展開的な盛り上がりも盛り下がりもないゆゆ式って大分ニッチな作品で、人によって評価がわかれてるんですよ。恐らく『こちらを楽しませてもらいたい!』ってスタンスで見ると、理解ができずにつまらないとか思ってしまうんじゃないかと。
この作品において『楽しい、面白い、好き』は自分で見つけるのが正解なんです。3人は常に絶え間なくおしゃべりを続けてるんですから、どこかに好きだなぁ、って思える瞬間があるんですよ。多分。まあ私がおすすめしようにも全部好きなんでおすすめのしようがないんですけど。最早分からないのが可愛いんですよな……。

キャラクターについて

他、好きなところに『考えて話してる』、って所があります。いや会話に中身はないよ~って散々書いてるんですけど、『中身のない会話』を成り立たせるために、彼女たちは頭使ってるんですよね。特にゆずこさん。野々原ゆずこ、きみだよきみ。
ゆゆ式の会話って言葉遊びがすごいんです。単語の韻だったり関係性だったり、はたまた台詞の共通点だったり逆に全く意味がなかったり(?)。口にした言葉の一つ一つから要素を抜き出して、それを繋げてテンポよく進めていく。打ち合わせなんてものは勿論なく、各々が各々の役割に応じて、フィーリング、もしくは考えて適切な言葉を発言します。役割はわかりやすく、おちゃらけたゆずこがボケ、ゆるっとした縁が相槌、恥ずかしがり屋の唯がツッコミを担当します。逸脱しすぎない現実味はゆるキャンと少し似てますかも。

  • 会話スタート、フリは、基本的にゆずこが務めます。

ゆずこは一見というか大体アホの子です。いつもわけわかんないことを口走って二人を困惑させたり、突飛なことをして驚かせたり。感覚に頼って生きてるとしか思えない奔放ぶりですが、彼女の行動は一貫して『唯と縁をどれだけ面白がらせるか』に執着しています。二人を笑わせて、三人での会話をより面白いものにすること。ゆずこはいつも、そのために頑張っています。
一方、ゆずこは賢い子でもあります。かしこマン。成績はいいし、夏休みの宿題は早々に終わらせる真面目さがあります。会話を振る前に、ある程度その流れを構成してから発言している旨も漫画の中でこぼしています。じつは視力が良くないのでメガネも掛けています。でも、それはキャラじゃないのであまり口にしたがらないし、眼鏡も普段は外しています。ゆずこのことを苦手にしていたあいちゃんも、二人で話した後、唯たちとのノリでのメールを受け取ったときには、『あの時は普通だったのに…』と不可思議そうにこぼします。相手に合わせての振る舞いも分かっている。
そんなゆずこは、唯と縁に小さな疎外感を覚えています。具体的な描写は無いですが、二人は幼馴染で、ゆずこはそれに後から加わっていることは明言されています。それ故かはわかりませんが、ゆずこは会話に『いること』を求めて、嫌われてないかを心配するきらいがあります。わずかな会話の掛け違いだって、ゆずこにとっては結構なダメージがあったり。

  • ゆずこの発言に、縁が楽しそうに笑います。

縁はぽやーっとしたマイペースな子です。実はいいところのお嬢様だけど、二人にその扱いをされるのは苦手だったり。そして笑い上戸。ツボが浅い。ゆずこの一挙一動や唯のツッコミにいつも笑っていて、ゆずこはそんな笑ってくれる縁ちゃんがスキ…、なんて言ったりもします。要所要所で相槌を打ったり軌道をそらしたり、緩やかに会話の流れを動かすのも縁です。親戚のおじさんたちのせいで妙に古いネタやマニアックなことにも精通していて、しかし時折その解説を放棄するところもあります。不惑の夏だね~。
一方、縁は聡い子でもあります。二人の些細な感情のゆらぎにすぐ気づいて、フォローを入れてあげられる。ゆずこが疎外感を覚えていれば、唯からすれば唐突な愛の告白を繰り出します。唯が黄昏れていれば、それに一番に気づきます。ゆずこが何を願っているのかも分かっていますし、唯がどう思っているのかもお見通しです。ぽやぽやしてはいるんですが、二人が大好きだからこそ、この三人でいるために動いている。

  • 縁の笑い声を聞きながら、唯がツッコミます。

唯はちょっとぶっきらぼうないじられ役です。尚且二人の保護者役も務めています。親友であるアホと天然の暴走に振り回されつつ、時おり一緒になってふざけます。ツッコミとしては珍しく常に冷静な立ち位置じゃなく、ゆずこのとんちんかんに同意することも多いです。しかしツッコミに手は抜かず、うまい言い回しで的確にツッコめるよう頑張りますが時々不発なことも。反応がいいため時折ゆずこにからかわれては腕を捻り、調子に乗ったセクハラまがいの二人の発言には赤面で抗議します。かわいいね唯ちゃんかわいいねえ
一方、唯は一番受け身な存在です。自発的に会話を振るゆずこ、それをサポートする縁に対して、唯はただ享受する立場にいます。それは、この三人の関係性が唯を上にして成り立っているためでもあります。ゆずこも縁も、基本的に優先するのは唯なんですよね。そのために唯は、この中で一番関係性の不安定さに疎い人間です。けれど、自分の立ち位置だけはしっかりとわきまえています。作中、唯ちゃんお言葉わるい~、みたいなゆずこからの抗議に、お前らにだけだよと返す一幕があります。唯もまた、ゆずこと同じで三人組においての振る舞いを他と差別化しているわけですね。本当かわいい…。


そうして回されていく三人の会話は、いつも楽しくなるように動きます。ケンカもなければ文句もなく、行き過ぎないよう常にブレーキを片手に、会話という関係性の構築を丁寧に丁寧に続けます。のんきなやり取りの下では三人の言葉にならない感情がそろそろとうごめいて、それは見方を変えれば砂上の楼閣のようでもあり、どこか壊れ物のようにも思えます。まあ三人とも互いのことが好きなので、おそらくはプラスチックの耐震工事済楼閣なんですけど。そういうゆゆ式の表と裏、みたいなのがたまらなく好きです。考えすぎ?考えちゃうから仕方がないでしょ!

だから、外部存在であるところのおかちー達との絡みは非常に好きです。戸惑う唯、二人に任せる縁、警戒しつつ距離を測るゆずこ。ゆずこの威嚇、ギャグ処理されてるけど切実さを感じる……かわええ……。でも一番仲良くなるところまでアニメは至らないからそこはちょっとさみしいですが。ゆずこさんアホ賢くて本当かわいいんですよ。ナンバーワン好きピンクです。かおす先生も好きです。




そんなわけで、ただ面白いから見よう!!!等と大声で宣伝してもどーせ見て貰えねえよなあ~って諦めて寝るより、0.01%の可能性にかけて宣伝をする道を歩むことにしました*2。いいぞ保科、例え読まれずとも修羅となれ(?)ここまで読む人やっぱ既にゆゆ式読んでんじゃないかなって感じですけど。

今さらになりますがこちら感想ではなく視聴を勧奨するゆゆ式ダイマブログになります。ほぼほぼ感想ですけどね!なんとAmazonprimeに入れば特典で見れちゃいますからニコニコの配信が終わっても安心ですね(しかも今日から配信だ)!シュラァ!

*1:勇者の方ではなく、ゆずこ唯縁の名前の頭文字をとった略称。三上先生が呼んでいることがある

*2:松潤だって冤罪を勝ち取れる確率。99.9%に負けるな